12日に都内の自宅で首をつって自殺したタレントの上原美優さん(享年24)の通夜が14日、実家のある鹿児島県・種子島の斎場で営まれた。4男
6女の10人兄弟の末っ子で甘えん坊だったという上原さん。親族や知人、仕事関係者など約100人があまりに突然の、早すぎる別れを惜しんだ。
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ひまわりやバラに囲まれた色鮮やかな祭壇に、上原さんの愛くるしい笑顔が咲いていた。遺影は09年5月に出版した自叙伝「10人兄弟貧乏アイドル☆ 私、イケナイ少女だったんでしょうか?」で撮り下ろしたもので、笑顔が映える1枚を家族が選んだ。
上原さんの変わり果てた姿を恋人が発見したのが12日午前2時すぎ。その約4時間前、11日午後10時ごろに上原さんから“最後の電話”を受けた父・藤崎
久男さん(79)をはじめ長兄(51)ら大家族の全員が、昨年3月29日に65歳で亡くなった母・イチ子さんの葬儀以来、初めて顔を合わせた。ハンカチで
目を覆う兄姉の前で、久男さんは1人、気丈に振る舞っていたという。
亡きがらと対面した参列者の1人は「今にも起きそうなきれいなお顔をしていた」と悲しみを押し殺して語った。
出生から最後の瞬間まで波瀾(はらん)万丈の人生だった。父が55歳、母が43歳の時に生まれた子で、出生場所はパチンコ店の駐車場。地元のタクシー運転
手で当時、パチンコ店に勤めていた男性(48)は「お店でお母さんが産気づいたのを覚えています。娘が小・中・高校で(上原さんと)同級生だった。ショッ
クを受けていた」と島民も悲しみに暮れていた。
遺体は13日、鹿児島市の姉宅に安置され、14日午前、3時間40分かけて鹿児島からフェ
リーで種子島に運ばれた。正午過ぎに故郷の“土を踏む”と、そのまま中種子(なかたね)町にある思い出が詰まった実家に無言の帰宅。約2時間、最愛の家族
と悲しみの対面を果たし、その後、母の葬儀が行われたのと同じ「池山葬祭店」に移された。葬儀・告別式は近親者のみで15日に同所で行われる。
(2011年5月15日)