東日本大震災で大きな被害を引き起こした大津波。その第1波(押し波)の引き波が大船渡湾口防波堤を30分後に破壊したことが、東北大学災害制御センターの今村文彦教授の調査で分かった。
今村教授は、先月31日に津波調査で大船渡入りした際、東海新報社に立ち寄り、湾口防波堤が津波に呑み込まれていく様子などを1時間にわたって記録していたビデオ映像(本紙社員撮影)を分析した。
この映像は、3月11日午後3時ごろから撮影が始まった。まもなく3㍍以上の津波(押し波)が20分ほど続いて防波堤にぶつかり、その後、一転して引き波に変わり、急激に潮が引いていくシーンを映し出している。
引き波に変わってから10分ほどで湾口防波堤が外海側に崩落した瞬間も収録。今村教授は「第1波の引き波で堤防が破壊されていることがこのビデオで分か
る」とした上で「映像開始から30分で堤防がなくなった。これまでの調査結果をはるかに上回る規模の第1波のエネルギーで、史上最悪の津波が発生してし
まった」と驚く。
映像から見た湾口防波堤の機能について同教授は「押し波を低減したこと、津波の伝搬を遅くしたという一定の機能は果たしたが、引き波が長く、しかも甚大だった」と指摘する。
ビデオ映像については「湾口防波堤の津波映像が定点観測的に撮影されたのは初めて。(防波堤が)どこまで機能し、どこまで限界だったかを記録するもので、今後の設計の修正、見直しに役立てられると思う」と話していた。
まだ余震が続いていることには「今後、活動は1年以上続くと思われるが、規模や発生回数は減ってくる。ただ、今回の地震で地盤が下がっている。余震による津波、高波にも注意が必要」と引き続き警戒を呼びかけている。
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